アキーラについてAbout aqyla
引っ張り合うの力が横にも下にも均一。
そのため剥がれにくい。
アクリル同士が引っ張り合う(=横方向)の力が強いが、下には弱い。そのため素材によっては剥がれてしまう。
絵具はそもそも顔料だけでは画面に定着しないため、糊が必要になります。油絵具なら乾性油、アクリル絵具ならアクリル樹脂、日本画絵具なら膠となりますが、テンペラ絵具はなんと卵で顔料を練った絵具です。そのためテンペラ絵具は艶がありません。このテンペラ絵具を表現するために作られたアキーラ。なのでアキーラにも艶はありません。
歴史としてはとても古く、ルネッサンス期の祭壇画(板絵)・イコン(宗教画)などにテンペラは用いられてきました。絵具の固着をよくするため、板の上から石膏地を作り描画する。
また、石膏地の上に金箔を施し瑪瑙でビカビカに磨いた黄金背景にテンペラを用いた例もあります。代表的な作品としてはシモーネ・マルティーニの受胎告知などが挙げられます。
テンペラの語源は、ラテン語の「テンペラーレ=かきまぜる」が派生したイタリア語です。なのでテンペラという単語自体は絵具の名称ではなく、かきまぜる行為を指すようです。
絵具全般、顔料と展色剤をかきまぜたもの、ということで〝テンペラーレ〟と呼んでいると言えます。なので、本来は「顔料と卵のテンペラ」と呼んだ方が正しいと考えられますが、便宜上ここではテンペラと呼びます。テンペラの主たる材料の「卵」。
実は卵黄の中に含まれるレシチンという成分が界面活性剤の役割を果たしていて、本来分離するはずの水と油をきれいに混ぜることができるのです。
例えば生活の身近なアイテムで、水と油と卵が安定して混ざっているエマルション状態のものをイメージすると、実はマヨネーズがそれです。他にも牛乳・木工用ボンドなども、エマルション状態にある物質です。水性面も油性面も両方に定着させる。これがテンペラ絵具の大きな特徴です。
クサカベ についてAbout KUSAKABE
倉庫は3年前にリニューアルしたそうで、モダンな外観の建物です。
取材時期が3月だったので、大量の新学期学校用品が準備されていました。
新館1Fには、佐藤紘子さんの作品が展示されていました。
紙は環境の変化に敏感なので、専用の部屋で気温・湿度管理をされています。
アキーラができるまでMaking of AQYLA
製作の工程
以前の記事「ヴェルネ」にも登場しましたが、まずは顔料を分散させるための作業として、
ロールミルという機械に絵具を通していきます。
ロールミルに通しすぎると顔料と混ざった水がとんでしまうため1回だけ通します。また水系の絵具の場合、鉄の素材は錆びる可能性があるため、基本的に黒御影石のロールを使用するとのことです。
水と顔料を混ぜた液をロールミルに流し込み、ロールを通って顔料が分散されていきます。分散とは、顔料の粒子をほぐす作業のことを言います。
分散した絵具をもう一度ミキサーに戻し、水性アルキド樹脂を混ぜていきます。最初の段階で樹脂を混ぜないのは、水性アルキド樹脂をロールミルにかけるとエマルションが壊れてしまうからです。
アキーラはテンペラ絵具を忠実に再現するために全色つや消しで統一されています。この工程では、そのディテールを作り出すための、つや消し剤を入れていきます。実は、水系の絵具の方が、油系の絵具に比べてデリケートで手間がかかるのだそうです。
この動画からもわかるように、縁やシャフト部分に付いてしまったものもきちんと取り、できる限り無駄が出ないよう、丁寧な加工を繰り返していきます。
攪拌された絵具の中には空気がはいっています。そのままにしてしまうと品質の維持ができないので、真空脱泡がおこなえるミキサーを使って、内部の空気を抜きながら攪拌していきます。
こちらのミキサーでは機械内部の気圧を下げ、真空状態にすることができます。絵具の中の空気を抜き、脱泡するのです。−1気圧で真空状態になり内部の空気を外に抜いていきます。
機械の中を覗いてみると、次から次へとボコボコと泡が出ていきます。絵具の中の空気が抜けていっているのです。ちなみに真空状態になると水蒸気が発生するそうで、内部はどんどん雲って見えなくなっていきました。
出来上がった絵具が商品としてきちんと出せる品質に仕上がっているかどうかジャッジするために、色を機械に通して数値化し、基準の色との色調差を調べます。この確認作業は複数回おこない品質を管理しています。
こちらの写真のようなサンプルが攪拌ミキサーの機械そばに置いてありました。作業途中の色を確認するためのパレットのようです。
アキーラは昨年、チューブのデザインを刷新し、銀チューブを共通のベースにした統一感あるイメージに刷新されました。私としてはとてもカッコよくなって良かったと思っていますが、以前のデザインのチューブは、チューブ全体に印刷がされているもので、実はその方がコストは安いのだとか。
しかし印刷で作るとなると、ロット数が5,000〜10,000本と膨大なため、一回の発注にたくさんの本数を抱えなければなりません。共通したチューブのほうが、在庫管理がしやすいとのことです。こちらの動画がラベルを貼る機械。1本1本、丁寧に機械に通していきます。
メディウムMedium
アキーラの金・銀・銅
絵具において、金属色がどうやって作られているか、疑問に思われる方もいるかもしれません。アキーラではパールゴールド・パールシルバー・パールブロンズがそれにあたります。この三つを構成する顔料表示を見てみると、どれもPW20と書かれていますが、これはマイカ(雲母)のことです。金ならば雲母に黄色が、銀ならば雲母に白色が、銅ならば雲母に赤色が薄くコーティングされているため、いかにも金属らしく輝いて見えるということです。
あとがきAfterwords
ご購入についてAbout Purchase
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クサカベ アキーラ レッド系 単色 20ml
油絵にも重ね塗りできる
水性アルキド樹脂絵具 -
クサカベ アキーラ オレンジ系 単色 20ml
油絵にも重ね塗りできる
水性アルキド樹脂絵具 -
クサカベ アキーラ イエロー系 単色 20ml
油絵にも重ね塗りできる
水性アルキド樹脂絵具 -
クサカベ アキーラ グリーン系 単色 20ml
油絵にも重ね塗りできる
水性アルキド樹脂絵具 -
クサカベ アキーラ ブルー系 単色 20ml
油絵にも重ね塗りできる
水性アルキド樹脂絵具 -
クサカベ アキーラ バイオレット系 単色 20ml
油絵にも重ね塗りできる
水性アルキド樹脂絵具 -
クサカベ アキーラ ブラウン系 単色 20ml
油絵にも重ね塗りできる
水性アルキド樹脂絵具 -
クサカベ アキーラ グレー・ブラック・ホワイト 単色 20ml - 40ml
油絵にも重ね塗りできる
水性アルキド樹脂絵具 -
クサカベ アキーラ パール系 単色 20ml
油絵にも重ね塗りできる
水性アルキド樹脂絵具 -
クサカベ アキーラ 基本 12色セット 20ml × 12色
油絵にも重ね塗りできる
水性アルキド樹脂絵具 -
クサカベ アキーラ 基本 18色セット 20ml × 12色
油絵にも重ね塗りできる
水性アルキド樹脂絵具